任意整理の弁護士費用(着手金・報酬金)は、分割払いに対応している事務所がほとんどです。
借金の返済に追われてギリギリの生活をしていると、「手持ちの現金がないから弁護士費用を払えず、任意整理を躊躇してしまう」というのはよくあることですが、任意整理を検討する人に手持ちの現金が少ないことは弁護士側も理解しているため、柔軟に対応してくれる事務所が多くなっています。
ただし、分割払いにも注意点があります。この記事では、任意整理の弁護士費用の分割払いの仕組みと、支払いを延滞した場合に起こりうる「辞任」のリスクについて解説します。
任意整理の仕組みそのものについては、任意整理とは?メリットやデメリット、自己破産や個人再生との違いで解説しています。
任意整理の弁護士費用・早見表
| 費用相場 | 債権者1社あたり3〜5万円+成功報酬が一般的 |
|---|---|
| 着手金 | 前払いが基本。分割払いに対応する事務所が多い |
| 報酬金 | 後払いが基本。任意整理の手続き期間中に分割で支払っていくのが一般的 |
| 分割回数の目安 | 3回〜10回程度。手続き期間中に払いきれなければ和解後も継続して支払う |
| 延滞した場合 | 弁護士に辞任され、手続きを続けるには別の弁護士への依頼が必要になる |
弁護士費用は分割払いが可能
任意整理の弁護士費用は、事務所によって金額に差がありますが、債権者1社あたり3〜5万円+成功報酬が一般的な相場です。このうち着手金は前払い、報酬金(減額報酬・成功報酬)は後払いという構成が基本になります。
債務整理を引き受けてくれる弁護士事務所の多くは、着手金・報酬金のどちらも分割払いに対応しています。任意整理の手続き期間中に、報酬金を分割で支払っていくのが一般的な流れです。
報酬金を分割で支払えることの大きなメリットは、債権者への返済と弁護士費用の支払いが同時期に重なって大きな負担になり、月々の支払いが滞ってしまう事態を防げる点にあります。
分割払いの回数は、任意整理の手続き期間中に数回〜1年程度としている事務所が多く、手続き期間中に払いきれなかった分は、和解成立後も引き続き支払っていく形になります。
関連:任意整理の期間中はどんな流れで手続きが進むかを解説します
分割払いを延滞すると辞任されることもある
弁護士に支払う費用を滞納すると、任意整理手続きの途中であっても、弁護士側が依頼を断る(仕事を放棄する)ことがあります。これを「辞任」といいます。依頼していた弁護士に辞任されてしまうと、それ以上手続きを進めることができなくなってしまいます。
辞任された場合、任意整理の手続きを続けるためには、改めて別の弁護士に依頼し直す必要があります。最初からのやり直しに近い形になるため、時間も費用も余計にかかってしまいます。
弁護士もボランティアで任意整理を行っているわけではなく、事業として業務を受けています。依頼を引き受ける義務があるわけではなく、費用を支払ってもらえない場合には、途中で業務を放棄する(辞任する)権利があるのです。分割払いには応じてもらえても、支払いそのものを省略できるわけではない、という点は押さえておきましょう。
辞任されると、弁護士が債権者に辞任の通知を出すため、債権者からの連絡が直接あなた宛てに来るようになる可能性があります。辞任通知が届いた後の動き方は、次の記事で詳しく解説しています。
関連:辞任通知が届いたらどうする?債務整理中に弁護士に辞任された時の対処法
延滞しそうな時は、辞任される前に相談する
収入の変化などで支払いが厳しくなった場合、滞納してしまう前に弁護士事務所へ連絡することが重要です。滞納する前に相談すれば、分割回数の見直しや月額の減額など、支払える範囲での調整に応じてもらえることが多く、辞任という最悪の事態を避けやすくなります。
なお、ここで解説しているのは、弁護士への費用の延滞です。任意整理の和解が成立した後に、債権者への返済が滞った場合は、次の記事を参照してください。
よくある質問
Q. 着手金も分割払いにできますか?
事務所によりますが、着手金についても分割払いに対応しているところが多くあります。前払いが原則ではあるものの、初期費用0円・分割払い対応をうたっている事務所も見られます。相談時に必ず確認しましょう。
Q. 辞任された場合、それまで支払った費用は返ってきますか?
すでに行った業務に対応する分の費用は、原則として返還されません。未着手の部分に相当する費用がある場合は、事務所ごとの規定に応じて精算されることがあります。契約時に費用の精算方法を確認しておくと安心です。
Q. 分割払い中に、途中で一括払いに切り替えることはできますか?
可能です。まとまった収入が入った場合などに、残りの費用を一括で支払うことで、早期に支払いを終えられます。事務所に相談してみましょう。
Q. 辞任された後、別の弁護士に依頼すると費用は二重にかかりますか?
最初の弁護士にすでに支払った費用は原則として戻らないため、新たに依頼する弁護士にも別途費用がかかり、結果的に負担が増えてしまいます。辞任は避けられるならできるだけ避けるべきという理由の一つです。
まとめ
任意整理の弁護士費用は、着手金・報酬金ともに分割払いに対応している事務所がほとんどです。ただし、支払いを延滞すると弁護士に辞任されるリスクがあり、辞任されると別の弁護士への依頼が必要になり、費用も時間も余計にかかってしまいます。支払いが厳しくなりそうな時は、滞納する前に早めに弁護士事務所へ相談することが、手続きをスムーズに終えるための一番のポイントです。
