借金の返済が苦しくなったときに検討したいのが任意整理です。裁判所を通さず、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉するため、比較的短期間で解決しやすいのが特徴です。
依頼から和解成立までの目安は、早ければ2〜3カ月、長い場合でも6カ月程度です。ただし、あくまで相手(債権者)との任意の交渉のため、進み方は状況によって変わります。
この記事では、任意整理を依頼してから返済が終わるまで、どのようなスケジュールで進むのかを解説します。
任意整理のスケジュール一覧
任意整理の手続きにかかる期間の目安は、以下のとおりです。
| 手続き | 期間の目安 |
|---|---|
| 相談〜委任契約の締結 | 即日〜数日 |
| 受任通知の送付 | 契約後、即日〜1〜2日 |
| 取引履歴の開示請求・引き直し計算 | 1〜2カ月(債権者数による) |
| 債権者との和解交渉 | 1〜3カ月 |
| 和解成立〜返済開始 | 和解成立の翌月〜 |
| 分割返済期間 | 原則3年(36回) |
依頼してから返済が再開するまでの合計期間は、早ければ2〜3カ月、債権者が多い場合や交渉が難航する場合は6カ月程度かかることもあります。それぞれの段階で何が行われているのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
任意整理手続きの流れ
任意整理は、以下のような流れで進みます。
- 法律事務所への相談・委任契約
法律事務所に債務整理の相談をして、任意整理を行うことを決め、弁護士・司法書士と正式に委任契約を締結します。 - 受任通知の送付(即日〜1〜2日)
法律事務所から債権者へ受任通知が送付されます。受任通知を受け取った債権者からの返済の催促は止まり、和解が成立するまで返済する必要がなくなります。 - 取引履歴の開示請求(1〜2カ月)
受任通知と同時に、債権者へ取引履歴の開示請求が行われます。過去の取引履歴をすべて開示してもらい、現在の借金残高を確定させます。債権者の数が多い場合は、この開示だけで1〜2カ月かかることもあります。 - 利息の引き直し計算
グレーゾーン金利で返済していた場合は、利息の引き直し計算を行います。過去に払い過ぎていた利息と現在の残高を相殺し、場合によっては借金全額がなくなることもあります。 - 和解交渉の開始(1〜3カ月)
弁護士・司法書士が債権者との和解交渉を行います。3年の分割払いで無理なく返済できるよう、利息を免除して元金だけを返済する内容の和解を目指します。 - 和解契約の締結
債権者との交渉がまとまったら、和解契約を締結します。 - 返済の再開
和解成立後、借金の返済が再開します。債権者が複数いる場合は、原則としてすべての債権者へ同時に支払いが始まります。
スケジュールが長引く3つの要因
任意整理の期間は、いくつかの要因によって前後します。
1. 債権者の対応次第で遅れることがある
任意整理は裁判所を通さない手続きのため、進行スピードは債権者の対応次第という面があります。債権者が話し合いに応じなかったり、取引履歴などの必要書類の送付が遅れたりすると、その分手続きも長引きます。
裁判所を通す自己破産や個人再生では、裁判所が提出期限を定めて手続きを進めるため、債権者の対応だけで大きく遅れることはありません。この点は任意整理特有の注意点です。
2. 債権者が複数いると和解のタイミングがずれることがある
複数の債権者がいる場合、通常はすべての債権者へ同時に返済を再開できるよう、法律事務所側で和解成立日を調整します。ただし、交渉が難航している債権者が1社だけある場合など、その債権者を除いて先に和解を進めることもあります。
3. 弁護士・司法書士事務所の方針で遅れることもある
着手金を分割払いにしている事務所の中には、着手金を全額受け取ってから交渉を始める方針のところもあります。受任した時点で返済や取り立ては止まりますが、それがそのまま「和解交渉がすぐ始まる」ことを意味するわけではない点に注意しましょう。
ブラックリストに載るタイミングと銀行口座への影響
任意整理は、受任通知が送付された時点でブラックリスト(信用情報機関)に事故情報として登録されます。
また、返済に銀行カードローンを利用している場合、受任通知の送付をきっかけに銀行口座が凍結されることがあります。口座凍結に備えて、手続き前に必要な生活資金は引き出しておくと安心です。
銀行口座が凍結される仕組みと対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
手続き期間中にできることは、生活再建の準備
委任契約を締結したあと、任意整理の手続きが終わるまで依頼者自身がすることは基本的にありません。債権者との交渉に立ち会うこともなく、自己破産のように裁判所へ出向く必要もありません。
法律事務所によっては、和解が成立するまで頻繁な連絡があるわけではないため、「本当に手続きが進んでいるのか」と不安になる人もいます。進捗が気になる場合は、遠慮せず担当の事務所に確認してよい場面です。
受任通知の送付とともに借金の返済は一旦ストップするので、この期間を使って返済再開に備えた貯金をしておくことをおすすめします。3年間の分割返済を無理なく続けられるよう、この間に家計を見直しておくとよいでしょう。
任意整理のスケジュールについてよくある質問
Q. 手続きの途中で急に返済できなくなったらどうなりますか?
和解成立前であれば、返済自体がすでにストップしているため、すぐに問題になることはありません。和解成立後に返済が滞る場合は、早めに担当の法律事務所へ相談しましょう。事務所によっては再交渉や返済計画の見直しに対応してもらえることがあります。
Q. スケジュールを早める方法はありますか?
必要書類の提出や事務所からの連絡に迅速に対応することで、手続きが滞る要因を減らせます。ただし、債権者側の対応スピードは依頼者側でコントロールできないため、大幅な短縮は難しいのが実情です。
Q. 個人再生や自己破産よりも本当に早く終わりますか?
一般的には、裁判所を通す個人再生・自己破産よりも、任意整理のほうが短期間で和解に至るケースが多いです。ただし、債権者数や交渉の難航度によっては、任意整理でも半年近くかかることがあります。
まとめ
任意整理は、依頼から和解成立まで早ければ2〜3カ月、長くても6カ月程度が目安です。和解成立後は、原則3年かけて分割で返済していきます。
受任通知の送付でブラックリストへの登録や銀行口座の凍結が起こる可能性がある一方、返済自体は一旦ストップします。この期間を生活再建の準備にあてておくことで、その後の3年間の返済も無理なく続けやすくなります。
手続きの進み方に不安がある場合は、遠慮せず依頼先の法律事務所に確認してみましょう。
