結論から言うと、風俗で働いている女性でも、自己破産をすれば借金の免責(借金ゼロ)が認められる可能性は十分にあります。
裁判所は職業で差別しません。風俗の仕事をしているという理由だけで免責が下りないことはありませんし、自己破産のために今の仕事を辞める必要もありません。
ただし、風俗特有の働き方(日払い・現金手渡しが多く、源泉徴収票がないケースが多いこと)が原因で、他の職業の人とは少し違う注意点があります。
この記事では、風俗で働く女性が自己破産する際に押さえておきたい3つの注意点と、自己破産以外の解決策(任意整理・個人再生)について解説します。
※「免責」とは、自己破産の手続きをすすめて、裁判所から借金をゼロにしてもらうことです。借金した原因によっては免責されないケースもありますが、仕事内容で免責されないことはありません。
滞納した税金や慰謝料や養育費は自己破産しても免責されません。
風俗嬢の自己破産で押さえておきたい3つの注意点
- ①収入証明のためにお店に協力してもらう必要が生じることがある
- ②確定申告していなくても破産はできるが、税金の支払い義務は残る
- ③収入が高すぎると「返済不能」の要件を満たさず、免責が下りない可能性がある
1.収入証明のためにお店に協力してもらう必要がある
あなたの収入状況は破産免責の決定に当たって重要事項なので、どの程度の収入があるかを証明する必要があります。
しかし風俗の仕事は、原則として日払い・現金手渡しで、正規の源泉徴収票もないことが多いです。収入を証明する書類をもらっておらず、確定申告もしていなければ、収入証明に少し苦労します。
こんな時はお店側に協力してもらって収入を証明する必要があります。正規の源泉徴収票に代わる報告書を提出するために、弁護士事務所がお店側に過去の支払い履歴を出してもらいます。
※あなたが破産することで風俗店側に迷惑がかかることはありません。早ければ5分~10分ほどで終わる簡単な事務作業なので、大きな手間でもありません。
2.確定申告していなくても破産はできるが税金は払わなければいけない
確定申告していなくても自己破産はできます。財産状況と負債状況(借金や滞納している税金)を裁判所にきちんと報告すれば特に問題はありません。
ただし、税金の支払い義務は消滅しません。免責が下りたあとでも滞納した税金は払う必要があります。裁判所と税務署が連動しているわけではないので、破産をしたらすぐに税金を払わなければいけないわけでもありません。
3.高収入だと自己破産できない可能性がある
風俗の仕事は高収入です。1か月の収入が50万円や100万円を超えていれば、自己破産の要件である「返済不能」に引っかかる可能性があります。
要するに「借金を返せる人なら自己破産する必要がない」わけです。裁判所は、今の収入と借金の総額のバランスを見て、分割で返済できる見込みがあると判断すれば、自己破産の免責を認めないことがあります。
それでも任意整理や個人再生で借金を減らすことはできます。「以前は風俗の仕事をしていたけれど、今は別の仕事をしているor無職になっている」なら自己破産できるケースもあります。
風俗の仕事を続けながら自己破産できる
自己破産をしても、風俗店の従業員として働き続けること自体に問題はありません。破産手続き中に転職や退職を強制されることはなく、収入があること自体が不利益になるわけでもありません。
ただし、破産手続きを開始すると、免責が下りるまでの一定期間(半年~1年程度)は「風俗営業管理者」にはなれません。風俗営業管理者とは、オーナーや支配人など、風俗営業の許可名義人にあたる立場のことです。一般の従業員として勤務する分には制限を受けません。
お店の人から「自己破産するならなんでお店で働き続けるの?」と聞かれることがあるかもしれません。『破産して借金がなくなるなら、もう風俗で働く必要がなくなったのでは?』と考えられた可能性がありますが、風俗の仕事を続けるかどうかはあなた自身が自由に決めてよいことです。
自己破産以外の2つの解決策
借金を減額する方法には、自己破産以外にも「任意整理」や「個人再生」があります。自己破産の免責が下りない、あるいは高収入で「返済不能」の要件を満たさない場合でも、これらの方法で借金を減らせることがあります。
- 任意整理:弁護士や司法書士が債権者と直接交渉して借金を減額する手続きです。借金の元金は減らさず、将来利息や遅延損害金を減らして支払総額を大きく減らします。
- 個人再生:裁判所を通して、借金を5分の1から10分の1程度に減らす手続きです。
どちらも支払総額を大きく減らし、3~5年で残った借金を返済していく方法です。自己破産のように借金を全額ゼロにするわけではありませんが、収入があって「返済不能」とまでは言えない風俗嬢の方には、選択肢になり得ます。
どの手続きが適しているかは、借金総額や収入状況によってケースバイケースです。弁護士事務所の無料相談を利用して、自分に合う方法を確認してみましょう。
風俗嬢の自己破産に関するよくある質問(FAQ)
風俗で働いてることは裁判所にバレますか?
自己破産するには、裁判所に職業を正確に申告する必要があります。裁判所に対して風俗勤務の事実を伝えなければいけませんし、担当する弁護士さんにも風俗勤務を話さなければいけません。
ただし、破産しても家族や知人に風俗勤務がバレる可能性はまずありません。裁判所での手続きは非公開で進みます。
弁護士に風俗の仕事をしていることを話すのが恥ずかしいのですが、隠してもいいですか?
隠すのはおすすめできません。弁護士には守秘義務があり、あなたの職業を理由に不利に扱うことはありません。収入状況を正確に申告しないと、裁判所への報告内容に食い違いが生じ、手続きがスムーズに進まなくなったり、最悪の場合は免責が認められなくなったりするおそれがあります。
自己破産のために今すぐ風俗の仕事を辞めるべきですか?
辞める必要はありません。自己破産の手続き中に転職や退職を求められることはなく、風俗の仕事を続けながら手続きを進めている人は多くいます。今後の生活のことも考えて、仕事を続けるかどうかはご自身のペースで判断して問題ありません。
まとめ
風俗で働いていることを理由に自己破産の免責が下りないことはありません。収入証明の準備や、収入が高い場合の「返済不能」要件など、注意すべきポイントはありますが、いずれも弁護士に正直に相談すれば対応できる内容です。
「自己破産できるか不安」「収入が高いので任意整理や個人再生の方が向いているか知りたい」という方は、まず弁護士事務所の無料相談で自分の状況を確認してみることをおすすめします。
