結論からお伝えすると、警備員の仕事をしながらでも債務整理はできます。ただし「自己破産」だけは警備業法の資格制限にひっかかり、免責が下りるまでの数カ月間、警備員として働けなくなります。
一方で任意整理や個人再生には、警備員の仕事に関する制限は一切ありません。「借金があるから警備の仕事を続けられないかも」と不安な方は、まず自己破産以外の選択肢から検討するのがおすすめです。
「警備員だから債務整理できない」はよくある誤解
債務整理と聞くと「仕事に響くのでは」と心配される方は多いですが、これは誤解です。債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、警備員の仕事に影響するのはこのうち自己破産だけです。
任意整理・個人再生であれば、警備業法上なんの問題もなく、今の会社で働きながら借金を減らせます。「警備員だから債務整理は無理」とあきらめる前に、どの手続きが自分に合っているかを確認しましょう。
任意整理・個人再生・自己破産の違い
| 任意整理 | 裁判所を通さずに、弁護士が金融会社と直接交渉し、利息をカットして毎月の返済額を減らす方法です。家族や会社に知られずに解決できる可能性が最も高い手続きです。 |
|---|---|
| 個人再生 | 裁判所を通して、借金を5分の1〜10分の1程度に減額する手続きです。住宅ローン付きの自宅を残せるメリットがあります。 |
| 自己破産 | 一定の財産以外を処分するかわりに、借金をゼロにする手続きです。警備業法の資格制限があり、免責までの間は警備員の仕事に就けません。 |
警備員の仕事を続けながら債務整理をしたいなら、任意整理か個人再生を軸に検討するのが基本です。
自己破産だけが警備員の仕事に影響する理由
警備業法14条では「破産者で復権を得ないもの」は警備員になれないと定められています。「破産者で復権を得ないもの」とは、破産手続きの開始決定から免責許可が下りるまでの期間のことで、目安は4〜6カ月ほどです。
この期間を過ぎて免責が下りれば、また警備員として働くことができます。ただし手続き中は資格者証の交付が受けられなくなるなど、注意しておきたい点がいくつかあります。詳しくは警備員が自己破産する前の注意点で解説していますので、自己破産を検討している方はあわせてご確認ください。
個人再生なら会社から解雇される心配はない
個人再生の手続きについては、警備業法になんの記載もありません。警備会社を辞める必要はありませんし、そもそも会社へ報告する義務もありません。
個人再生は裁判所を通すため、官報に手続き開始の情報が掲載されます。会社の担当者が官報をチェックしていればバレる可能性はありますが、それを理由に解雇された場合は違法な不当解雇にあたります。安心して手続きを進めて問題ありません。
任意整理なら会社にバレるリスクが最も低い
任意整理は、弁護士が金融機関と直接交渉して利息を減らしてもらう手続きです。裁判所を通さないため、個人情報が官報に載ることはありません。
あなたや弁護士から会社に伝えない限り、家族や会社に知られることなく借金を減らせるのが任意整理の大きなメリットです。「絶対に会社にバレたくない」という方には、まず検討してほしい選択肢です。
どの手続きが向いているか
警備員の仕事を続けたい場合は、次のような目安で選ぶとよいでしょう。
- 借金の減額幅は少なくてよいので、とにかく会社にバレたくない → 任意整理
- 住宅ローン付きの自宅を残しながら大きく減額したい → 個人再生
- 収入や財産の状況からどうしても返済できない → 自己破産(会社への影響を理解したうえで検討)
収入や借金の状況によって最適な手続きは変わるため、自己判断せず、債務整理に強い弁護士に一度相談することをおすすめします。
まとめ
警備員の仕事に影響するのは自己破産だけで、任意整理・個人再生であれば今の会社で働きながら借金を減らせます。まずは任意整理・個人再生から検討し、それでも難しい場合に自己破産を選ぶという順番で考えるとよいでしょう。
