子供が進学を控えている時に債務整理では「奨学金を受けられるか」が一つのポイントとなります。
学校独自の奨学金であればそれほど心配ありませんが、信用情報機関に加盟している奨学金機構もあるため、ブラックリスト状態になると保証人の審査に落ちてしまう可能性があります。
このページでは、次の２通りについて紹介します。
- 子供が奨学金の利用を検討している場合（これから進学する）
- 子供や親戚の保証人・連帯保証人になっている場合（すでに進学しているor卒業している）
これから奨学金を利用する場合
債務整理すると信用情報機関に個人情報が載り、いわゆるブラックリスト状態になります。任意整理・個人再生・自己破産のどの手続きであっても同様です。
最近は信用情報機関に加盟する奨学金機構が増えているため、ブラックリスト状態だと連帯保証人として認められない可能性があります。
有名な奨学金機構の「日本学生支援機構」はKSC（全国銀行個人信用情報センター）に加盟しています。
親がブラックでも機関保証制度を利用できる
両親がブラックで連帯保証人になれない場合は、機関保証制度を利用して奨学金を利用できます。この制度はJASSO（独立行政法人日本学生支援機構）が奨学金の保証人となり、学生が奨学金を受け取れる仕組みです。
もしも奨学金の返済ができなかった場合は、JASSOが大学や専門学校に奨学金を一括で返済し、その後はJASSOが学生に返済を求めます。
機関保証制度を利用するためには一定の保証料が必要です。平成30年度に第二種奨学金（有利子）で総額480万円の借入をした場合、月額保証料は4246円となります。
月額5000円程度ならアルバイト代でも無理なく支払えますから、学費が払えずに進学を諦めている方でも進学の道が開けます。
奨学金の連帯保証人は原則として父母、保証人は４親等以内の親族で別生計の方です。ブラックではない親戚に保証人を頼むのも一つの手段ですが、快く受けてくれるかたを探すのは難しいでしょう。
すでに子供が奨学金を借りている場合
子供の奨学金の保証人になっている場合は、債務整理前に注意しなければいけません。保証債務も自己破産や個人再生の手続きに含める必要があるからです。
自己破産手続きが進めば自分の保証債務はなくなりますが、子供が借入先から保証人の差し替えを求められることがあります。
任意整理は、任意の債務だけを減額するので保証債務を手続きに含めるわけではありませんが、ブラックリスト状態になります。タイミングで奨学金機構が気付く可能性はあります。
もしも保証人の差し替えを求められた場合は、親族の方にお願いしなければいけません。
なお、奨学金機構が保証人が債務整理したために保証人の差し替えを求めているケースは、筆者は確認できませんでした。個別の事情となるので専門家の無料相談をご利用ください。
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