「債権回収会社に銀行ローンの返済を請求されている」
「クレジットカードの支払いが滞ったら債権回収会社から連絡がきた」
ある日突然こんな督促状が届くと、誰でも動揺してしまうものです。結論から言うと、債権回収会社からの督促を無視し続けると、ほぼ確実に裁判を経て給与や財産を差し押さえられます。差し押さえまでの猶予はそれほど長くありません。できるだけ早く弁護士に相談し、対策を取ることが何より重要です。
このページでは、債権回収会社とはどんな会社なのか、督促を放置するとどうなるのか、差し押さえを避けるにはどうすればいいのかを順番に解説します。
債権回収会社(サービサー)とは何をする会社か
債権回収会社(サービサー)とは、銀行などの金融機関から委託を受けたり、債権を譲り受けたりして、代わりに債権の回収業務を行う会社です。
支払いが滞った直後は金融機関自身から連絡がくることが多いですが、滞納が長引くと、金融機関が外部の債権回収会社に回収を委託するケースが増えます。実際に督促を行っている会社には、SMBC債権回収や日本債権回収、アビリオ債権回収など、大手金融グループ系列の会社が多くあります。
債権回収会社は『債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)』に基づき、法務大臣の許可を得て運営されている業者です。もともと弁護士だけに認められていた債権回収業務を、法律に基づいて代行しています。つまり、督促状に書かれている内容は脅しではなく、法的な裏付けのある請求だということです。
債権回収会社からの督促を無視するとどうなる?取り立ての流れ
債権回収会社による取り立ては、一般的に次のような順序で進みます。
- ①電話・郵便での督促:まずは電話や普通郵便で支払いを求められます。この段階ではまだ法的な強制力はありません。
- ②内容証明の送付:応答がないと内容証明郵便が届きます。ここもまだ法的拘束力はありませんが、次の段階に進む前触れです。
- ③支払督促の送付:簡易裁判所を通じて「支払督促」という書類が届きます。これは裁判所からの正式な通知で、2週間以内に異議申し立てをしないと、そのまま強制執行に進んでしまいます。
- ④訴訟:異議を申し立てても支払いが済まなければ、訴訟を起こされます。
- ⑤強制執行(差し押さえ):判決や支払督促の確定後、給与・預金口座・自宅・自動車などの財産が差し押さえられます。
督促状に書かれている「法的措置」とは、この訴訟と強制執行のことを指します。
訴訟と聞くと「裁判で争える」とイメージする方もいますが、相手には契約書や取引履歴などの証拠が揃っているため、勝ち目のある裁判にはなりません。
強制執行では、銀行口座や給与、自宅、車などが差し押さえの対象になります。給与を差し押さえるためには勤務先の経理部に裁判所から通知が届くため、会社に借金の存在を知られてしまうのはほぼ避けられません。
こうした事態を避けるためには、提訴される前に弁護士に相談することが最も重要です。
裁判・差し押さえを避けるには「債務整理」か「一括返済」しかない
最終的に裁判で給与や口座を差し押さえられる流れを止めるには、債務整理をするか、借金を一括返済するしかありません。
一括返済ができるならそれに越したことはありませんが、それが難しいからこそ督促を受けている方がほとんどでしょう。その場合の現実的な選択肢が債務整理です。
債務整理とは、合法的に借金の負担を減らす手続きの総称です。代表的なものに自己破産がありますが、それ以外にも任意整理や個人再生という方法もあります。
「自己破産したら人生が終わる」というイメージを持つ方も多いですが、実際には自己破産後も手元に残せる財産(自由財産)は一定範囲で認められていますし、仕事を続けることも可能です。
まずは任意整理を検討し、それが難しければ個人再生、それでも難しい場合の最終手段として自己破産があります。いずれの手続きでも、日常生活が大きく変わるわけではなく、新規のクレジットカード発行や銀行ローンの利用が一定期間制限される程度です。
「払えないから」と督促を放置するのではなく、早い段階で債務整理の手続きに着手すれば、裁判にまで発展させずに済みます。
すでにブラックリスト入りしている可能性が高い
借金の滞納が3ヶ月以上続くと、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリストに載った」状態です。
「債務整理をするとブラックリストに載るのが嫌だ」と感じる方もいますが、債権回収会社から督促がくる時点で、すでにブラックリスト入りしているケースがほとんどです。この点を心配して債務整理を先延ばしにする理由はあまりありません。
時効の可能性があるケースにも要注意
借金は、最後の返済から一定期間(原則5年)が経過すると時効を迎えます。債権回収会社から督促がくるということは、督促の内容によっては、すでに借金の一部が時効の期間を過ぎている可能性もあります。
ここで注意したいのが、自分から債権回収会社に電話をして「支払いを待ってください」などと伝えてしまうと、時効の進行がリセットされる(時効の完成が認められなくなる)ことです。時効を確定させるには、「消滅時効の援用」という手続きを自分から行う必要があります。時効の援用については、時効援用とは?借金が時効になる条件と手続きの流れで詳しく解説しています。
借金の一部が時効を迎えているかどうか自分で判断するのは難しいため、判断に迷う場合は弁護士の無料相談を利用してください。時効が完成していたはずの借金を、援用しないまま自分で支払ってしまうのは避けるべきです。
頼ってはいけないのは「ブラック対応」をうたう貸金業者
ブラックリストに載った時点で、正規の金融機関からの新規借り入れはほぼ不可能になります。この状況で「ブラックでも融資可能」とうたう貸金業者があれば、それは十中八九、貸金業の登録すらしていない違法な業者(いわゆるヤミ金)です。反社会的勢力が関与しているケースもあり、手を出すと今よりも深刻な事態を招きかねません。
督促に困ったときに頼るべきは、こうした業者ではなく弁護士です。
よくある質問
Q. 債権回収会社からの電話は無視しても大丈夫ですか?
無視し続けると、内容証明・支払督促・訴訟へと段階が進み、最終的には強制執行に至ります。時効の援用など特別な事情がない限り、無視は状況を悪化させるだけです。早めに弁護士に相談し、対応方針を決めることをおすすめします。
Q. 督促状が届いてから差し押さえまでどのくらいの期間がありますか?
督促の段階や個々の事情によって差はありますが、支払督促に対して2週間以内に異議申し立てをしなければ、その後は速やかに強制執行の手続きに進む可能性があります。督促状が届いた時点で、猶予はあまり残っていないと考えて行動してください。
Q. 少額の借金でも債権回収会社から督促はきますか?
金額の大小にかかわらず、金融機関が回収を委託すれば督促の対象になります。少額だからといって放置してよいわけではなく、放置すれば同じように法的措置に発展します。
Q. 債権回収会社からの連絡は本物かどうか見分けられますか?
督促状や封筒に記載された会社名・住所・電話番号を確認し、実在する登録済みの債権回収会社かどうかを確認しましょう。不審な点があれば、自分で折り返す前に弁護士や消費生活センターに相談するのが安全です。
債権回収会社の名前から詳しい対処法を探す
督促状に記載されている会社名が分かる場合は、下記から該当する会社の記事を確認してください。会社ごとに督促の傾向や注意点が異なります。
- あおぞら債権回収(あおぞら銀行グループ)
- ファンデックス債権回収(旧:アトリウム債権回収サービス)(セゾンファンデックス系)
- アビリオ債権回収(プロミス系)
- エー・シー・エス債権管理回収(イオングループ)
- エムユーフロンティア(三菱UFJグループ)
- 沖縄債権回収サービス
- オリックス債権回収(現:リサRT債権回収)
- オリンポス債権回収
- シー・シー・シー債権回収
- ジャックス債権回収サービス
- TSB債権管理回収(廃業済み・詐欺に注意)
- 日本債権回収(オリコ系)
- ニッテレ債権回収(現:NTS債権回収)
- のぞみ債権回収(大和証券グループ)
- パルティール債権回収(Jトラストグループ)
- SMBC債権回収(三井住友フィナンシャルグループ)
見当たらない場合や、そもそも実在する会社かどうか不安な場合は、督促状の会社名・住所・電話番号を確認し、判断に迷う際は弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ:債権回収会社から督促がきたら、できるだけ早く弁護士へ
債権回収会社からの連絡を無視し続けると、ほぼ確実に給与や財産の差し押さえに至ります。職場や家族に知られてしまうリスクも高く、精神的な負担も大きくなります。
弁護士に債務整理を依頼すれば、その時点で借金の返済義務が一時的にストップし、取り立ても止まります。まずは何をすべきか、債務整理を専門とする弁護士に相談してみてください。当サイトで紹介している弁護士事務所は、相談無料・弁護士報酬の分割払いにも対応しています。
