自己破産には、財産が少ない人が振り分けられる『同時廃止』と、財産がある人が振り分けられる『管財事件』の2種類があります。
自己破産するにもお金がかかりますが、同時廃止は予納金が少なくてすみ、管財事件は予納金が多くかかります。
このページでは、破産者がどういった基準で振り分けられるか、予納金が少なくてすむ同時廃止を選択するにはどうしたらよいかを解説します。
この記事の目次
同時廃止と管財事件の違い
同時廃止と管財事件の違いをまとめてみました。
同時廃止 | 管財事件 | |
---|---|---|
管財人の選定 | なし | あり |
一定の資産 | なし | あり |
免責不許可事由 | なし | あり |
居住制限 | なし | あり |
手続きの期間 | 2~3か月 | 6か月~1年以上 |
予納金 | 1~3万円 | 20万円~50万円 |
同時廃止は資産が全然ない人向けの破産方法
同時廃止とは、資産が少ない人が取る手続きです。
処分する資産がないので、破産手続きをしてすぐに配当手続きとなります。
免責が下りるまでの期間は2カ月から3カ月で、手続きにかかる費用(予納金)は1万円~3万円です。
管財事件は資産がある人向けの破産方法
管財事件とは、一定の資産がある場合や、借金をした理由に問題があると判断された人が取る手続きです。
破産管財人と呼ばれる弁護士が、破産者の資産を調べて債権者(貸金業者など)に配当します。
手続きには20万円~50万円ほどの費用がかかり、6カ月~1年程度の期間をかけて手続きを進めます。
少額管財事件について
破産管財人が調査をしても、債権者に分配するほどの財産がないと判断した場合に少額管財事件として扱われることがあります。
管財事件には50万円の予納金が必要ですが、自己破産を申し立てる人はとにかくお金がないという問題がありますし、通常の管財事件は長い期間がかかってしまいます。
この管財事件にかかる長い期間や高額な費用を軽減するために運用されるようになりました。少額管財事件は破産法で規定された制度ではなく、裁判所によっては運用していない所もあります。
同時廃止と管財事件を振り分ける基準
同時廃止か管財事件になるかの基準は下記の2つです。
- 免責不許可事由があるか(借金を作った理由に問題があるかどうか)
- 一定以上の資産があるか
それぞれを詳しく見てみましょう。
1.免責不許可事由がある場合
借金をした理由に、破産法で問題とされる理由(免責不許可事由)があるかどうかです。
免責不許可事由がある場合は、事情を調査するために破産管財人が選ばれます。免責不許可事由はギャンブルや投資で借金を作ったり、裁判所に嘘をついた場合などが該当します。
借金をした理由に大きな問題がなければ同時廃止となるケースがほとんどです。実際に自己破産となる人の9割以上が同時廃止です。
2.一定以上の資産がある場合
一定の資産があれば同時廃止ではなく管財事件となります。一定以上の資産とは、『20万円以上の価値がある自動車や退職金・生命保険など』が対象です。不動産を持っている場合は必ず管財事件となります。
弁護士から「同時廃止になるように自宅にある贅沢品を処分しましょう」と提案されることがありますが、ブランド物のアクセサリーや数十万円で売れるような車があると、管財事件になって費用が多くかかってしまうためです。
自己破産に必要な予納金をできるだけ低くする方法は?
自己破産をするためには予納金が必要です。同時破産なら1万円~3万円、少額管財事件なら20万円~、管財事件なら50万円~かかります。
予納金は申し立て時に支払わなければならず、予納金が支払えないのであれば自己破産の手続きが行えません。予納金が少なくて済む「同時破産になるかどうか」が重要になってきます。
財産が少ないからと言って必ずしも同時破産になるわけではありません。同時破産か管財事件のどちらになるか微妙なラインの人はいます。
管財人の就かない同時廃止になるか、管財人の就く管財事件になるかで、予納金が最低20万円は違ってきます。
個別の事情を裁判所に伝える必要がありますが、本人の有利になるように伝えられるかどうかは弁護士によって違ってきます。自己破産のノウハウを持っている弁護士事務所に依頼するべきです。
借金でお困りなら弁護士事務所へ相談を
- LINE風のチャット形式で相談できる(匿名OK)
- 依頼者が納得するまで丁寧で分かりやすく説明する
- 初回相談料は無料、弁護士費用の分割払いにも対応
- 依頼後すぐに借金の取り立てがストップ
東京ロータス事務所は東京に事務所を構えている全国対応の弁護士法人です。
多重債務や過払い金問題に関しては長年の経験があり、特に任意整理の料金は格安でやっています。
- 依頼後すぐに借金の取り立てがストップします
- 相談内容が家族にバレないようなノウハウが多数あり
- 任意整理の着手金・報酬金は弁護士事務所の中で格安
- 初期費用や相談料は無料、弁護士費用の後払いや分割払いにも対応しています
- 24時間365日相談受付